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Channel: 布とお茶を巡る旅
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モース死す

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去年の11月からNHKのBSで放送が始まったモース主任警部シリーズでしたが、
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真っ赤な高級車とクラシック音楽、そして酒と女性をこよなく愛する“ロマンスグレー”の英国紳士モース。事件に対しては直感がさえるが、感情的になり、時にルールすれすれの捜査を展開。そんな人間味あふれる主任警部のモースが、オックスフォードの町を舞台に、予測不能な難事件を部下のルイス刑事と共に華麗に解き明かす!

2月1日の放送で、モース主任警部が病死してしまって最終回となりました。
原作はすべて読んでいますからこの回が来ることは覚悟していましたが、
やっぱり残念で悲しかったです。

1975年に発表された「ウッドストック行最終バス」から24年にわたって
出版されたモース主任警部シリーズ全13作、
そのうちの11作が今回放送されました。

そこでふと疑問、なぜ6作目の「謎まで3マイル」と
7作目の「別館三号室の男」の放送がなかったのだろうか。

イギリスでは1987年からドラマ化が始まり、
2000年まで8シリーズに分けて33作品がドラマ化されています。
調べたらそもそもこの2作はドラマ化されていないようです。
(「最後の敵」という作品が「謎まで3マイル」と内容が酷似)
コリン・デクスターのモース主任警部シリーズは長編13本のほかに
短編集が1冊翻訳出版されていますが未収録の短編があったとしても
22本もあるのかな?
確信はありませんがどうやら22本はオリジナル脚本のようです。
このシリーズには原作者が制作にも関与しているので、
オリジナルでもそれほど逸脱したものではないのでしょう。

ドラマは脚本もとてもよくできていて、
集中して見ていないと混乱してしまうところもあって
見終わるとどっと疲れます!
でも日本の刑事もの2時間ドラマのようなアホ臭い展開もなく
(そんなことは取調室か裁判で語れよ!的な)
それぞれ充実した100分間でした。

ただ早川ポケットミステリーの2段組250~350ページの小説を
100分のドラマにするにはやはりモースの閃きと迷走と、
結局は解決に至るめくるめく展開が適度に整理されてしまい、
さらにモースとルイスの関係が小説とはかなり違う印象を受けます。

AXNミステリーではかつて全作品33本を放送したようなのですが、
今のところ再放送の予定はないとのこと。
現在モースの相棒・ルイスのその後の活躍を描いた
「ルイス警部」というシリーズが始まっているので、
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これが終わったらまたモース主任警部シリーズ放送があるかもしれません。
その時はスカパーと契約してみようかな。

****  ****   ****

さて本日午後4時半から、2018年に放送されていた
モースの若かりし日々を描いた「刑事モース」が過去の再放送の後に、
新しいシリーズが始まるのでしばらくお楽しみは続きます。

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舞台は1960年代のイギリス・オックスフォード。
刑事巡査のモースは、天才的なひらめきと優れた観察眼に加え、地道な捜査で事件の真相に迫る。
彼の才能をいち早く見抜いたサーズデイ警部補とともに、次々と起きる予測不能な難事件の解決に挑む!
こちらは原題がEndeavourというのですが、
これがモースのファーストネームです。
主任警部モースのシリーズではどんな美女に聞かれても
なかなか明かされることがなかったファーストネームなのに
ずばりタイトルとは驚きです。

ただこの若きモースが10数年の時を経て、
あの「主任警部」になってしまうのにはどんな経緯があるのか、
私には大いなる謎、ではあります。







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