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Channel: 布とお茶を巡る旅
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草展へ

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9日、舞良さんの個展の前に、吉祥寺のOUTBOUNDで開催中の
「草」展へ行ってきました。
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草は、あまりにも身近な存在であるがゆえに、普段の生活では見過ごされるか、時には排除の対象となることさえ少なくありません。
しかし、古来より人間は草を食し、繊維を採って縄や布にし、抽出した染料で染め、暮らしの基盤を形成してきました。のみならず、祈願や卜占、境界を示すための標(しるし)に用いるなど、単なる素材以上の存在としても関わってきた歴史があります。また、子供の頃、草は遊びにおける大事な友であったことは忘れてはなりません。
今回、草の稀有な性質に焦点を当て、改めてその奥行きと可能性を問い直す展覧会を開催いたします。
草が誘発する作り手達の創意に触れて頂けましたら幸いです。
OUTBOUND・小林さんによりますとこちらは、
草展座長のあまよかしむさんによる「東京の草」から成る渾身の作。
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素材として用いられている草は、杉並の某所の土地に繁茂する
「セイバンモロコシ」という帰化植物。強い繁殖力で分布を広げ、
光・養水分競合により他の栽培植物の減収を生じさせる上、
家畜にとって有毒な成分を有するために飼料としても使用できないという
厄介な強害雑草として知られていまるそうです。

最初のDMの写真は、この植物をあまよかしむさんが叩いているところ。

それにしても立派な根だこと!「草」という概念が揺らぎます。
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たかが草、でもこう並べられるともうすでに作品ですね。
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どれもこれも草でできた作品とは!
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森田千晶さんの作品。蒟蒻糊でつないだとのこと。
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大麻の繊維を染めたもの。こういう髪になりたいんですよ。
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リュウゼツランの糸、メキシコ・ペルー・日本(吉祥寺)の3種。
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つやつやで美しいですね~
でもつるつるしすぎて縄に綯うのは困難で糸のまま展示。

吉祥寺のものはお店の前のこちらからあまよかしむさんが採取したもの。
お店に入る前に何か予感がして最初に撮った写真でした。
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こちらはますみえりこさんが糸を取るために剥いた
からむし(苧麻)の外側の皮。
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捨てるには忍びないと持参されたそうで、
それを熊谷幸治さんの器がどんと受け止めています。

個々の作家さんの作品は私の携帯カメラでは
その魅力を捉えることができなかったし、
たくさんあり過ぎてブログには載せきれないので、
あまよかしむさんのSNSと
北原のりこさんのSNSでご覧ください。
*ただ時間が経ってしまったので、少し遡ってみてください。

ああ、行ってよかった。
常設してくれればいいのになぁ……
草の博物館を作ってくれる方、どこかに居ませんか~

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