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Channel: 布とお茶を巡る旅
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バイヨンの月

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IKTT(クメール伝統織物研究所)の森本さんが亡くなって7年。
こういう本が出版されることになるとは思いもよらなかった。

しかもそれが一人出版社を立ち上げた知人の風鯨社から出版されるとは!

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IKTT(クメール伝統織物研究所)を1996年に設立し、カンボジアの伝統的絹織物の復興と再生に取り組んできた故・森本喜久男が22年前に著した草稿が甦る!
カンボジア内戦を生き残った「おばあ」たちの手の記憶を甦らせ、その技術を若い世代に継承させるだけでなく、素材となる生糸や自然染料の自給と、染め織りとともにある暮らしの再生を目指す「伝統の森」という村を作り上げるに至った経緯とその背景を思いのままに綴った記録が、詳細な註ならびに現在に至るまでの経緯と解説とともに出現。カンボジアのノロドム・シハモニ国王から「この布にはカンボジアの心がこもっている」との称賛を得るに至った絣布が生まれるまでの足跡がここに!

私が森本さんという方の存在を知ったのはいつごろで、どんな経緯だったのか。

そこで森本さんの最初の著書『メコンにまかせ』(1998年4月1日発行)を
久しぶりに読み返してみました。

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1970年代、インドシナで戦争や内戦が続き多くの人々が難民となり
タイ国境付近に多くの難民キャンプができました。

現在ではNPOと呼ばれる団体ができ始めたころで
タイ在住の日本人の方々が中心になってJVCが発足しました。

そのことを新聞やテレビのニュースで知った私は興味をちました。

すでに様々な活動をしていた森本さんがJVCのプロジェクトのため、
京都の友禅染の工房をたたんでタイに赴いたことで、
森本さんの存在を知ったのだと思います。

そのプロジェクト自体は予定していた難民キャンプが
タイ政府の方針で閉鎖・移転したことによって実現しなかったのですが、
森本さんはその後もユネスコの調査などに携わり、
カンボジアの美しいシルクの絣布に出会い魅せられて、
その復活に突き進んでいく様子をずっとメルマガで読んでいました。

こんな簡単な説明では申し訳ないけれど、
そのあたりの事も含めて、森本さんが22年前に書かれたという原稿が
こうして出版される運びとなったことはたいへんうれしいことです。

読んでみたいと思われる方は、大手通販サイトではなく、
ぜひ風鯨社へ⇒オンラインショップで注文してください。
送料が200円かかりますが、一人出版社・美咲さんへの応援として。

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