「望月真理 出版記念カンタ展」に行ってきました。
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本書は、ファン待望の初の作品集です。原寸大の文様や、裏側も一部掲載し、刺繍を学ぶ方の参考になるよう工夫しています。さらに著者が現地で集めた貴重なヴィンテージの刺繍布コレクションも掲載。カンタの伝統文様が象徴する意味や、カンタ刺繍をこれから始めたい方のための基本の技法も掲載しています。読み物として著者インタビューや、日々のアトリエの様子、これまでの旅のコレクションの写真なども掲載し、望月真理ファンはもちろん、すべての手仕事愛好家が楽しめる一冊になっています。
ご自宅での展示とお聞きして、興味津々。
でも作品展示にはどうなんだろうという一抹の不安もありました。
そんな不安は全くの杞憂でした。
まるでギャラリーのようなお宅なのです(写真はクリックで拡大します)
その名も「暮らすギャラリー」と名付けられた空間なのでした。
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たっぷりと光の入るダイニング、キッチンもまるでスタジオのようでした。
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ガーデンデザイナーをされているお嬢さんの手によるお庭。
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こちらに自宅を建てたときに植えたという桜の木。
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そして望月先生のご登場♬(ちゃんとお顔が写ってなくてすみません)
後ろの方が先生のお嬢さん。
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こちらの丸いテーブルに合わせたクロスは、
制作に1年ほどかかったそうです。
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地の色はアトリエのあったいわきの古民家の
「そのへんにあった植物をぶち込んで染めたの」だそうです:笑
昔、ベトナムへ旅した時に山の中の集落で
干してあった布がとてもいい茶色だったので
何で染めたのかその家の人に聞いたら、
そこいらへんに生えている木を適当に煮出して染めたと言われたそう。
その時、そうか染料は何を何グラムなんて計っているからつまらないんだ、
どんな植物で染めたってきれいなんだと気が付いたそうです。
ご案内してくださったお嬢さんのお話では、
望月先生は絵を描くことがお好きでよくスケッチをされているそうです。
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旅行好きで世界中あちこちお出かけですが、
アフリカには足を踏み入れないと決めていられるとか。
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魅力的過ぎて帰ってこられなくなるからというのが理由だそうです。
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お出かけできなくても、身近にあるものを題材にされていて
これは料理で残った里芋の芽から育った葉っぱを題材にした作品。
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葉っぱって描けそうで描けない、よく観察すると発見があると。
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何でもよく観察して、自分で考えるの。自由よ~
カンタは完成形がないの、自由に刺していいの。そこが好き。
ずっとヨーロッパ刺繍を習ってきたから、
きっちり、まっさら、技法の数々…
カンタに出会った時、ああ、なんて自由なんだと
たちまち惹かれてしまった先生。
前にもブログに書きましたけど、先生のファーストカンタがこちら。
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53歳の時にカルカッタの博物館でたった一枚あったカンタを見たのが始まり。
初めはでこぼこした縮緬のような布に刺繍がしてある布と思ったそうです。
ところがそれは何枚も重ねた使い古しの布に、
一針一針縫った刺し子のようなものだったとわかって
ホテルの部屋に戻って、手元にあった布に見よう見まねで刺したのが
先生のファーストカンタ。
その後、アンティークショップで見つけたこちらが先生の教科書となった布。
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当時すでにカンタを刺す人はいなくなっていたので、
この布をじっくり観察して、布の重ね方や刺し方を研究されたそうです。
雑巾と同じでただぐし縫いをするだけ。
刺繍でも刺し子でとも違うのがカンタ。
針目の方向を変えたり、針目をずらしたりして模様を作る。
「病院のカンタ」と名付けられた作品群。
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大病をされて病院通いが日課のような日々に、
待ち時間に刺しているのだそうです。
入院中にもたくさん作られたそうです。
私の好きな一枚、この針目にゾクゾクしませんか?
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この鶏も魅力的。
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いつもバッグに刺しかけの作品を入れて、待合室でもどこでも
5分でも10分でも刺すのよ!
時間はお金で買えないし、人からももらえない
自分でひねり出すの、5分でも10分でも続ければいつかは完成する。
コツは切りのいいところまでやり終えない、
中途半端なところで針を刺しておくことなんだそうです。
眼から鱗のお言葉!
きちんと整理をしてしまうと頭も整理されてしまうので、
続けるときに最初から全部見直さなければならないけれど、
でも途中でやめておくと、見直さなくても
「そうそう、ここからだった」とすぐに再開できるんだそうですよ。
これは児童心理学者の方の講演で学んだことだそうです。
お嬢さんからのリクエストで作った「真っ白なカンタ」
こちらが先生の最新作です。
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真っ白と言っても真っ白ではないのが望月先生♬
よもぎ染めの2色の糸で刺されています。
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「白い布に白い糸」は見にくいからもう作りたくないとおっしゃっていました。
視力も衰えて「ほとんど見えていないのに、針に糸は通せる」
もう神に近い存在です。
たくさんお話お聞きしたのでまだまだ「語録」は続きます。
本日はひとますここまで。

本書は、ファン待望の初の作品集です。原寸大の文様や、裏側も一部掲載し、刺繍を学ぶ方の参考になるよう工夫しています。さらに著者が現地で集めた貴重なヴィンテージの刺繍布コレクションも掲載。カンタの伝統文様が象徴する意味や、カンタ刺繍をこれから始めたい方のための基本の技法も掲載しています。読み物として著者インタビューや、日々のアトリエの様子、これまでの旅のコレクションの写真なども掲載し、望月真理ファンはもちろん、すべての手仕事愛好家が楽しめる一冊になっています。
ご自宅での展示とお聞きして、興味津々。
でも作品展示にはどうなんだろうという一抹の不安もありました。
そんな不安は全くの杞憂でした。
まるでギャラリーのようなお宅なのです(写真はクリックで拡大します)
その名も「暮らすギャラリー」と名付けられた空間なのでした。

たっぷりと光の入るダイニング、キッチンもまるでスタジオのようでした。

ガーデンデザイナーをされているお嬢さんの手によるお庭。

こちらに自宅を建てたときに植えたという桜の木。

そして望月先生のご登場♬(ちゃんとお顔が写ってなくてすみません)
後ろの方が先生のお嬢さん。

こちらの丸いテーブルに合わせたクロスは、
制作に1年ほどかかったそうです。

地の色はアトリエのあったいわきの古民家の
「そのへんにあった植物をぶち込んで染めたの」だそうです:笑
昔、ベトナムへ旅した時に山の中の集落で
干してあった布がとてもいい茶色だったので
何で染めたのかその家の人に聞いたら、
そこいらへんに生えている木を適当に煮出して染めたと言われたそう。
その時、そうか染料は何を何グラムなんて計っているからつまらないんだ、
どんな植物で染めたってきれいなんだと気が付いたそうです。
ご案内してくださったお嬢さんのお話では、
望月先生は絵を描くことがお好きでよくスケッチをされているそうです。

旅行好きで世界中あちこちお出かけですが、
アフリカには足を踏み入れないと決めていられるとか。

魅力的過ぎて帰ってこられなくなるからというのが理由だそうです。

お出かけできなくても、身近にあるものを題材にされていて
これは料理で残った里芋の芽から育った葉っぱを題材にした作品。

葉っぱって描けそうで描けない、よく観察すると発見があると。

何でもよく観察して、自分で考えるの。自由よ~
カンタは完成形がないの、自由に刺していいの。そこが好き。
ずっとヨーロッパ刺繍を習ってきたから、
きっちり、まっさら、技法の数々…
カンタに出会った時、ああ、なんて自由なんだと
たちまち惹かれてしまった先生。
前にもブログに書きましたけど、先生のファーストカンタがこちら。

53歳の時にカルカッタの博物館でたった一枚あったカンタを見たのが始まり。
初めはでこぼこした縮緬のような布に刺繍がしてある布と思ったそうです。
ところがそれは何枚も重ねた使い古しの布に、
一針一針縫った刺し子のようなものだったとわかって
ホテルの部屋に戻って、手元にあった布に見よう見まねで刺したのが
先生のファーストカンタ。
その後、アンティークショップで見つけたこちらが先生の教科書となった布。

当時すでにカンタを刺す人はいなくなっていたので、
この布をじっくり観察して、布の重ね方や刺し方を研究されたそうです。
雑巾と同じでただぐし縫いをするだけ。
刺繍でも刺し子でとも違うのがカンタ。
針目の方向を変えたり、針目をずらしたりして模様を作る。
「病院のカンタ」と名付けられた作品群。

大病をされて病院通いが日課のような日々に、
待ち時間に刺しているのだそうです。
入院中にもたくさん作られたそうです。
私の好きな一枚、この針目にゾクゾクしませんか?

この鶏も魅力的。

いつもバッグに刺しかけの作品を入れて、待合室でもどこでも
5分でも10分でも刺すのよ!
時間はお金で買えないし、人からももらえない
自分でひねり出すの、5分でも10分でも続ければいつかは完成する。
コツは切りのいいところまでやり終えない、
中途半端なところで針を刺しておくことなんだそうです。
眼から鱗のお言葉!
きちんと整理をしてしまうと頭も整理されてしまうので、
続けるときに最初から全部見直さなければならないけれど、
でも途中でやめておくと、見直さなくても
「そうそう、ここからだった」とすぐに再開できるんだそうですよ。
これは児童心理学者の方の講演で学んだことだそうです。
お嬢さんからのリクエストで作った「真っ白なカンタ」
こちらが先生の最新作です。

真っ白と言っても真っ白ではないのが望月先生♬
よもぎ染めの2色の糸で刺されています。

「白い布に白い糸」は見にくいからもう作りたくないとおっしゃっていました。
視力も衰えて「ほとんど見えていないのに、針に糸は通せる」
もう神に近い存在です。
たくさんお話お聞きしたのでまだまだ「語録」は続きます。
本日はひとますここまで。