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Channel: 布とお茶を巡る旅
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読んでから飲むか、飲んでから読むか…

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去年の11月ごろだったか、アリサカ嬢から課題が出されました。

「これを読んだ誰かとワイン飲みたい🍷」とのたまう。

その「指定図書」がこちらです。
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お酒は大好きだけど銘柄や産地なんて覚えられない!そんな超初級者・三浦しをんがワインの専門家に入門。「ワインの味わいが3割増しになるグラスとは?」など、目からウロコのレッスンを通して自分好みのおいしいワインを見つけられるようになる、面白くて役に立つ一冊。美味しいワインにありつくためならばと、
さっそく注文して読み始めました。

面白くてどんどん読み進めていたら、
読み終わった時には初めの頃の内容をすっかり忘れていました:苦笑

先日のマルク・テンペの会で飲んだ7本のうち、
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最後のデザートワイン以外の葡萄の品種は
リースリングかゲヴュルツトラミネールでした。

マルク・テンペの会を思い起こしながら、
上記のアリサカ嬢の「指定図書」を読み返していたら、
「ワインの香り(2)~白ワイン」の章で三浦氏一同が
テイスティングしたワインの3本のうちの2本が
なんとリースリングとゲヴュルツトラミネールだったのでした。
(そんなこともすっかり忘れていた自分にがっかり)
この2本はどちらもアルザス地方のもの。アルザス地方はフランス北東部、ドイツとの国境近くにある。一般的に、白ワインは産地が北に位置しているほうが、華やかな香りがするといわれる。
アルザス地方では「アルザス瓶」といって、ドイツワインに似た細長い瓶を使用している。もうひとつの特徴は、ラベルにブドウの品種が表示されることだ。
リースリングはシャルドネが世界的な人気を博すまえは
「世界で一番優雅な品種」と言われていたそうです。
そこで三浦氏がつけたあだ名が「グレタ・ガルボ」
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リースリングの房は小ぶりで果実も小さい。黄緑色の果皮は完熟するにつれて斑点が現れる。耐寒性がとても強く冷涼な気候を好み、痩せた土壌での栽培に適しているのが特徴だ。リースリングは極甘口のようなとても甘い味わいのワインから、辛口、発泡性までさまざまなタイプのワインを生み出す。どのタイプでもしっかりした酸味が感じられ、華やかな香りと豊かな果実味をもったエレガントな味わいなのが特徴だ。また、産地や熟成などによってはペトロール香といわれる石油のような香りが出る場合もある。私、リースリングにはかなりの「思い込み」がありました。
その昔(たぶん20代後半くらいだから40年位前のこと)
当時日本で飲むドイツワインといえば、だいたいリースリングでした。
私の飲んだワインが大したものではなかったのが原因なのですが、
「甘っ」と言うのがすべての感想でした。
なんというか、ベタっとした甘さだったので、
それ以降、意識的にリースリングは避けていました。

何事も「出会い」って大切ですね。
「失われた40年」を取り戻さなければなりません。

あっ、先日のマルク・テンペさまで十分取り戻しましたっけ。
これ以上欲張ってはいけませんね。

それに対して、ゲヴュルツトラミネールとはよき出会いをしました。
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ゲヴュルツトラミネールのゲヴュルツとは、ドイツ語で「スパイス」という意味で、このブドウがスパイシーであるがゆえの名前です。ゲヴュルツトラミネールから造られたワインの香りは、ライチなどトロピカルフルーツの香りがすると言い表されます。ブドウの粒は小さく、果皮はグレイッシュピンクです。春先の芽吹きが早いため、霜害にあいやすく、栽培が難しいとされています。このドイツ語の発音しにくく、覚えにくい名前のせいで
(三浦氏曰く「マレーネ・デートリッヒ」)
日本ではあまりメジャーではないのではないかと、
「指定図書」の先生・岡元麻理恵さんも書かれていますが、
香りがとても個性的なので、この品種は私にもすぐに分かります。
そして私にはとても好ましい香りです。
大好きな台湾の木柵鉄観音茶を思い起こさせます。

ちなみにこの本は2011年に出版されたものなので、
ナチュラルワインについて書かれた部分は少ないですし、
内容としても物足りないのですが、
逆にこの10年余りで輸送法や生産者の努力、
ワインだけでなく世界的な食品に対する自然志向の高まりなどで
手ごろで質の高いナチュラルワインが身近になったことがよく分かります。

まぁ、私はワインは飲むことに専念したいので、
これ以上お勉強する気はありませんが、
せっかく買った本なので、また心に留まるワインに出会った時にでも
読み返してみようと思います。

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