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Channel: 布とお茶を巡る旅
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種から布をつくる

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白井仁さんの仕事が絵本になると聞いてとても楽しみにしていました。

福音館書店の月刊たくさんのふしぎシリーズ最新号です。

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「理想の布をつくりたい」―白井仁さんは布を作るためのすべての作業を自分で行う、日本では数少ない布の染織家です。素材のワタを畑で育てるところからはじまり、手作業での糸つむぎ、家のまわりの草木を使った糸染め、機織り・・・・・・完成にはなんと1年もかかります。手作業から生まれる美しい布ができるまでを紹介します。
絵は装丁家の熊谷博人さん。更紗のコレクターとしても有名な方です。
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その熊谷さんからのお誘いでできた本だそうです。

絵本の中で白井さんは、
ワタを育てるのに一番大切なことはしっかり見ること
なにか問題がおきるとワタはサインを出しているので、
それを見逃さないこと!と書いています。

服作りから素材に魅入られて、やがて自分で布を織ることへ。
そしてその大元の糸を作るためにワタを育てる…
たぶん織をされている多くの方が、できれば自分も、
と思っていることではないでしょうか。

白井さんのことは以前からネットを通じて存じ上げていましたが、
実際にお目にかかってお話したのは、
2018年の「手仕事に遊ぶ錦秋」展でした。

その時に触れたふわりと軽く、ふっくらとした布に惹かれました。
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ご自分で育てている綿もお持ちになって拝見しましたが、
「これ綿ですか?」という艶に驚きました。
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また「家族のために布をつくる」というところで一年に一枚は家族でつかうための布を織ることにしています。その布をつかって息子のために、赤ちゃんのときにつかう前掛けや、昔の野良着を参考にした上着、保育園で寝るときにつかうシーツやタオルケットなど一式を運ぶための大きな風呂敷などをつくりました。と書かれています。
奥さまのための着物と草履の鼻緒の写真もありました。

家族のための布を織る、
これこそ織物の原点ではないかと羨ましくなりました。

出版記念の展示会のお知らせです。

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白井 仁
「種から布をつくる」
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日 時 2023年4月22日(土)~24日(月)
時 間 12:00~18:00 最終日は17:00まで
会 場 gallery MARUHI 文京区根津2-33-1
『種から布をつくる』の刊行を記念して、展示会を開催します。
本に出てくる布や道具の展示、
熊谷博人さんによる原画も数点展示いたします。

*AmazonではKindle版しか扱いがないようですので、
紙の本が欲しい方は書店に注文してください。

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