最後の HPE News

年賀状に混じって届いた最後のお便りは、
ラオスで活動されていた谷由紀子さんが現地法人を閉めて、
日本にお戻りになったというお知らせでした。

昨年の春ごろから、あちらこちらより漏れ伺ってはいましたが、
お便りをいただいて引導を渡されたというのか、諦めがつきました。
むしろ、ここまでよく続けて来られたなぁ～という思いの方が強いです。
ここ数年は毎年「これが最後です」という言葉をお聞きしていたので、
本当に「最後」が来てしまったのか、と
「出た～、コレで最後詐欺」って騙されることを楽しんでいた
HPEファンのため息があちこちから聞こえてくるようです。

HPE Newsの日付は2018年12月1日となっていますので、
文中の「今年6月」とあるのは昨年のことになります。（⇩クリックすると拡大します）


織りの作家さんは「いい糸がない」染めの作家さんは「いい布がない」
毎回作品展会場でお聞きする言葉です。

急激な経済発展の裏側でどんどん失われていく手の仕事。
でもそれをとっくの昔に手放してしまった私たちに、
責める資格はありません。

ただいつか、自分たちの失ったモノの大きさを知った時に、
谷さんの、HPEの残したものがラオスの方々にとって
とても大きな財産になることでしょう。

初めて谷さんにお目にかかったのは、ブログを始めたばかりの頃でした。

そのころから何か谷さんには近寄りがたいものを感じてしまって、
いま一つ踏み込んでお話をすることができませんでした。
それは谷さんの持っていた「覚悟」の大きさを感じてしまったこと
だったように今は思います。

文中にも私が外国人である以上、余力があるうちでないと問題なく会社を閉じることはできないと判断しこの度決心いたしました。
とありますが、始める事よりも終えることの方が大変ですよね。

とくに大切にしているコースター。こういうステッチだけのものが好きです。

それと2016年にやっと手に入れた１反の藍染め布。
これが私のお宝になりました。

でも、これから谷さんが日本でどんなことをされるのか、
それも新たな楽しみです。