別なお部屋には、インドのアンティークカンタも一枚だけ登場。
![_c0033636_11470246.jpg]()
アンティークのカンタはたくさんお持ちですが、
今回は先生の作品集の出版記念なので先生の作品をメインに。
でも初めてカンタを見るという方のために
特別な一枚を展示してくださったそうです。
銀花137号の中でこのカンタについて
「私が死んだ時、棺にかけてくれと言っているの」という
お気に入りの一枚。
古いカンタを見ては
「どうしてこんなふうにしたの?」「何に使ったの?」と
心の中でいつも時を超えた会話しているそうです。
中国・貴州省の農村風景を刺した「山あいの村」
![_c0033636_11480548.jpg]()
このカンタにはこんなエピソードがあります。
⇒2016年9月「望月真理カンタ展」
家族のカンタ。こちらも2016年のブログ↑に書いていました。
![_c0033636_11512093.jpg]()
ご家族の古い泥大島にお孫さんが描いた絵を刺したカンタです。
![_c0033636_11523267.jpg]()
圧倒的な魅力を放つ「太陽紋のカンタ」はうっすらとヨモギ染めされた糸が
深みのある白を作り出しています。
![_c0033636_23143325.jpg]()
そしてこの針目の美しさにため息がでます。
![_c0033636_23173448.jpg]()
私が好きな一枚、「ヴェトナム紀行」
![_c0033636_11540192.jpg]()
髪型や髪飾りに注目されていたそうです。
![_c0033636_11542789.jpg]()
かなりデフォルメしていますけど、不自然さはありません。
![_c0033636_11553108.jpg]()
こういう全体象も省略すべきところは省いて、
しかも動きを捉えていて見事です。
![_c0033636_11560472.jpg]()
以前に見た本ではアンコールワットの作品もあって(銀花137号より)
![_c0033636_11574014.jpg]()
独特の踊りのポーズをみごとに捉えています。
こういう動きを自由に刺すには針選びも大切ということで、
研究されていたノートがこちら(銀花137号より)
![_c0033636_12003356.jpg]()
思いのまま自由に刺せばいいのよとおっしゃっていますが、
そう言えるのには観察と工夫があってのお言葉なのです、当然ですが。
「象は森の王様」 コロナ禍 93歳の作品
![_c0033636_23475901.jpg]()
象が刺したくなったので、まず象を刺したの。
![_c0033636_23482397.jpg]()
それからその象は森の中にいるということで、植物を周りに配した。
本には「あえて下書きの線を残した」というキャプションがありますが、
![_c0033636_23484395.jpg]()
お嬢さんの話では
「洗えば消えるペンと間違えて消えないペンを使ってしまった」
というのが真相らしいのですが、線があっても全然気にならないし、
言われなければ肉眼では気がつかなかった(私だけ?)
さて、先生がカンタを刺し始めた頃に悩んだのが布です。
着古したサリーやドーティは手に入りませんから、
いろんな布で試した結果
「使い古した布団カバーがちょうどいい」という結論に達しました。
こういう話をすると皆さん
「では今度カバーを交換したらお送りしますね」というけど、
ほんとうに送ってくれた人は今までたった一人だった!
その人とは今でも親しくお付き合いしていますと:笑
この話を聞いた時、私はちょっと戸惑いました。
先生のおっしゃる布団カバーって子供の頃わが家でも使っていた
白い割烹着のような生地のカバーだとすると、
いくら使い古してもカンタにするには密で
ニュアンスが違うのではないかしら…
そんな疑問を抱きながら銀花137号を読んでいたら、
ちゃんと書いてありました。
使い古した布団カバーとは「ガーゼのような毛布カバー」だったんです。
それを3~4枚重ねて刺すと不思議なことに
絹のような肌触りになるんだそうです。
とは言え、現在ではそれもなかなか手に入らないので、
今はインドの布を使用しているそうですが。
まだまだお聞きしたお話はたくさんありますが、
きりがないのでこのへんで。
![_c0033636_23025900.jpg]()
少し早めに帰らなければならないのでご挨拶したら、
お名前は?どちらからいらしたの?とお聞きになって、
真鶴ですと答えると「ああ、お魚が美味しいところね」と。
10年以上前に三角アップリケのワークショップに参加しましたと言ったら、
ああ、アカ族のね、〇〇大学の先生が私のところに来て
「あれは三角にカットするんです」なんて言ってきて!と憤慨するので、
「布を畳んで三角にするんですよね」と言うと嬉しそうでした。
(それにしてもすごい記憶力!)
カンタが一段落したらあれもまたやりたいわと、
意欲満々の望月先生、御年95歳でした。

アンティークのカンタはたくさんお持ちですが、
今回は先生の作品集の出版記念なので先生の作品をメインに。
でも初めてカンタを見るという方のために
特別な一枚を展示してくださったそうです。
銀花137号の中でこのカンタについて
「私が死んだ時、棺にかけてくれと言っているの」という
お気に入りの一枚。
古いカンタを見ては
「どうしてこんなふうにしたの?」「何に使ったの?」と
心の中でいつも時を超えた会話しているそうです。
中国・貴州省の農村風景を刺した「山あいの村」

このカンタにはこんなエピソードがあります。
⇒2016年9月「望月真理カンタ展」
家族のカンタ。こちらも2016年のブログ↑に書いていました。

ご家族の古い泥大島にお孫さんが描いた絵を刺したカンタです。

圧倒的な魅力を放つ「太陽紋のカンタ」はうっすらとヨモギ染めされた糸が
深みのある白を作り出しています。

そしてこの針目の美しさにため息がでます。

私が好きな一枚、「ヴェトナム紀行」

髪型や髪飾りに注目されていたそうです。

かなりデフォルメしていますけど、不自然さはありません。

こういう全体象も省略すべきところは省いて、
しかも動きを捉えていて見事です。

以前に見た本ではアンコールワットの作品もあって(銀花137号より)

独特の踊りのポーズをみごとに捉えています。
こういう動きを自由に刺すには針選びも大切ということで、
研究されていたノートがこちら(銀花137号より)

思いのまま自由に刺せばいいのよとおっしゃっていますが、
そう言えるのには観察と工夫があってのお言葉なのです、当然ですが。
「象は森の王様」 コロナ禍 93歳の作品

象が刺したくなったので、まず象を刺したの。

それからその象は森の中にいるということで、植物を周りに配した。
本には「あえて下書きの線を残した」というキャプションがありますが、

お嬢さんの話では
「洗えば消えるペンと間違えて消えないペンを使ってしまった」
というのが真相らしいのですが、線があっても全然気にならないし、
言われなければ肉眼では気がつかなかった(私だけ?)
さて、先生がカンタを刺し始めた頃に悩んだのが布です。
着古したサリーやドーティは手に入りませんから、
いろんな布で試した結果
「使い古した布団カバーがちょうどいい」という結論に達しました。
こういう話をすると皆さん
「では今度カバーを交換したらお送りしますね」というけど、
ほんとうに送ってくれた人は今までたった一人だった!
その人とは今でも親しくお付き合いしていますと:笑
この話を聞いた時、私はちょっと戸惑いました。
先生のおっしゃる布団カバーって子供の頃わが家でも使っていた
白い割烹着のような生地のカバーだとすると、
いくら使い古してもカンタにするには密で
ニュアンスが違うのではないかしら…
そんな疑問を抱きながら銀花137号を読んでいたら、
ちゃんと書いてありました。
使い古した布団カバーとは「ガーゼのような毛布カバー」だったんです。
それを3~4枚重ねて刺すと不思議なことに
絹のような肌触りになるんだそうです。
とは言え、現在ではそれもなかなか手に入らないので、
今はインドの布を使用しているそうですが。
まだまだお聞きしたお話はたくさんありますが、
きりがないのでこのへんで。

少し早めに帰らなければならないのでご挨拶したら、
お名前は?どちらからいらしたの?とお聞きになって、
真鶴ですと答えると「ああ、お魚が美味しいところね」と。
10年以上前に三角アップリケのワークショップに参加しましたと言ったら、
ああ、アカ族のね、〇〇大学の先生が私のところに来て
「あれは三角にカットするんです」なんて言ってきて!と憤慨するので、
「布を畳んで三角にするんですよね」と言うと嬉しそうでした。
(それにしてもすごい記憶力!)
カンタが一段落したらあれもまたやりたいわと、
意欲満々の望月先生、御年95歳でした。