12月に小田原で青土・薫さんにお会いしたとき、
ご挨拶もそこそこに、「はいこれ」と手渡されたのは
苧麻とおぼしき美しい糸が入った小箱です。
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「手績苧麻糸(180羽) 中国・江西万載」と
手書きで書かれた文字を見て、
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写真を撮ろうと思ったら「それお土産よ」と驚きの言葉が。
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ここに書かれた「180羽」とは1インチ四方の間に入る経糸と緯糸の
合計の数が、180本という意味です。
1インチは2.54㎝ですから、1㎝に経緯各35本と言う細さです。
もちろんそれは人の手で績まれた(繊維を裂いて繋いだ)糸です。
この糸は青土さんが2018年から中国の若者たちと取り組んできた
高品質の麻布を作る「万載プロジェクト」の成果です。
そして見せていただいたのがこちらの布(着尺)です。
規格 巾0.4m x 長さ13.5m 重さ466g
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ただし、180羽の糸で布を織ると和服には薄すぎて耐えられません。
そこで150羽の糸で織ってもらったものがこちらの布です。
万載は中国江西省宜春市にあり、昔から80羽くらいの
「生平(きびら)麻」の産地です
中国側のプロジェクトチームのリーダーの青年がこの万載の出身で、
長らく途絶えていた「鶏骨白」という苧麻の品種を復活することから、
プロジェクトはスタートしました。
「鶏骨白」は、鶏の骨のように繊維が白く、
柔らかいという特徴を持っていますが、
栽培が難しいため、長いこと作られなくなっていました。
しかし、青土さんの試みを実現させるには、この苧麻の復活が必要と、
中国の青年たちの熱意でとうとう「鶏骨白」が復活しました。
苧績みも糸の繋ぎ目に段差が出来ないように工夫しました。
績み手も織り手もまだいる中国の強みと、
青土さんの熱意を受けた人々の努力で(コロナ禍を挟んで)
5年の歳月をかけて、昨年年ようやく一枚の布が完成しました。
こちらの布は中国伝統の麻布(生平)に則り、
経糸・緯糸共に撚りをかけない糸を使いました。
こうして中国と日本のたくさんの「手」を繋いで出来た、
とりわけ美しい布が誕生したのです。
ご挨拶もそこそこに、「はいこれ」と手渡されたのは
苧麻とおぼしき美しい糸が入った小箱です。

「手績苧麻糸(180羽) 中国・江西万載」と
手書きで書かれた文字を見て、

写真を撮ろうと思ったら「それお土産よ」と驚きの言葉が。

ここに書かれた「180羽」とは1インチ四方の間に入る経糸と緯糸の
合計の数が、180本という意味です。
1インチは2.54㎝ですから、1㎝に経緯各35本と言う細さです。
もちろんそれは人の手で績まれた(繊維を裂いて繋いだ)糸です。
この糸は青土さんが2018年から中国の若者たちと取り組んできた
高品質の麻布を作る「万載プロジェクト」の成果です。
そして見せていただいたのがこちらの布(着尺)です。
規格 巾0.4m x 長さ13.5m 重さ466g

ただし、180羽の糸で布を織ると和服には薄すぎて耐えられません。
そこで150羽の糸で織ってもらったものがこちらの布です。
万載は中国江西省宜春市にあり、昔から80羽くらいの
「生平(きびら)麻」の産地です
中国側のプロジェクトチームのリーダーの青年がこの万載の出身で、
長らく途絶えていた「鶏骨白」という苧麻の品種を復活することから、
プロジェクトはスタートしました。
「鶏骨白」は、鶏の骨のように繊維が白く、
柔らかいという特徴を持っていますが、
栽培が難しいため、長いこと作られなくなっていました。
しかし、青土さんの試みを実現させるには、この苧麻の復活が必要と、
中国の青年たちの熱意でとうとう「鶏骨白」が復活しました。
苧績みも糸の繋ぎ目に段差が出来ないように工夫しました。
績み手も織り手もまだいる中国の強みと、
青土さんの熱意を受けた人々の努力で(コロナ禍を挟んで)
5年の歳月をかけて、昨年年ようやく一枚の布が完成しました。
こちらの布は中国伝統の麻布(生平)に則り、
経糸・緯糸共に撚りをかけない糸を使いました。
こうして中国と日本のたくさんの「手」を繋いで出来た、
とりわけ美しい布が誕生したのです。